🔬

オリゼの甘味料にも含まれるレジスタントプロテインとは

 
オリゼでは、甘味料の機能性を解明するべくさまざまな研究開発を行っております。
 
金沢工業大学 バイオ・化学部 生命・応用バイオ学科 尾関健二教授との共同研究の結果、オリゼの甘味料にはレジスタントプロテインが市販の甘酒に比べて13倍以上含まれていることが明らかになりました。
 

レジスタントプロテインとは?

 
 
レジスタントプロテインとは難消化性タンパク質であり、お米に含まれるタンパク質であるプロラミンが発酵の過程で濃縮することで生成される不溶性の物質です。
 
通常、たんぱく質は胃で分解されますが、難消化性であるRPは消化・吸収されず腸まで届き、食物繊維様作用をもたらします。
 
これまでに蕎麦や大豆などの穀類、市販の甘酒にはレジスタントプロテインが一定量含まれていることが報告されていました(*1, 2)。
 
レジスタントプロテインの健康機能性として、
  • 1日120mg摂取:肥満抑制、LDL-コレステロール低下作用
  • 250mg摂取:腸内の酪酸生産菌の占有率を増加させること、肌の角質水分量が増加すること
が報告されています(*2)。
 
甘酒の原料は米と麹であり、当社のオリゼ甘味料も同じ原料から作っています。
 
そこで、レジスタントプロテイン研究の権威である尾関教授と共同研究のもと、当社の甘味料の解析を行いました。
 

オリゼ甘味料に含まれるレジスタントプロテインは市販の甘酒の13倍

 
尾関教授協力のもとれジスタントプロテイン量を測定した結果、当社の米麹発酵糖分「オリゼソース」には、レジスタントプロテインが14.6mg/mL含まれていることがわかりました。
 
つまり、スプーン1杯(15mL)あたり219mg摂取することができ、肥満予防やLDL-コレステロール値の低下に寄与するということが明らかになりました。
 
すでに当社の甘味料は商品原料として使用しており、食べながら健康を担保できる甘味料として期待されています。
 
 

レジスタントプロテインの含有量を高めるための開発

 
私たちの研究はここで終わりません。
 
元来、「甘味料」は糖質制限ブームや健康志向の高まりから避けられる傾向にあります。
 
ですが、甘味・糖は人間にとって必要な栄養素であり、欠乏すると脳や体に影響を与える可能性があります。
 
つまり、甘味や糖の種類を変え、より健康機能性の高く美味しい甘味料を選んで取り入れることが、健やかな日々への近道になると言えるでしょう。
 
私たちはこれからも製造方法の改善や開発を続け、皆様の日々の健康や美容に寄り添うインフラとなる甘味料作りに挑戦して参ります。
 
*1 : 加藤 範久, 栢下 淳, 佐々木 真宏(2000)“レジスタントプロテイン”としてのそばタンパク質とセリシンの生体調節機能、日本栄養・食糧学会誌、53(2)、71-75
*2 : 尾関 健二(2022)甘酒中のレジスタントプロテインの機能性解析について、日本醸造協会誌、117(9)、627-634